マネロン対策、日本は実質不合格国 FATFへ今後3年改善報告

【ロンドン=板東和正】テロ組織などにお金が流れるマネーロンダリング(資金洗浄)対策を審査する国際組織「金融活動作業部会」(FATF、事務局パリ)は30日、13年ぶりとなる日本に対する調査報告書を公表した。日本を実質的な不合格の「重点フォローアップ国」と評価。これまでと同じ3段階中2番目の評価で、大手銀行以外の金融機関の取り組みが不十分だとして、地方銀行などに対策強化を促した。今後3年間、FATFへの改善報告が毎年求められる。外国の当局による取引審査が厳格化される恐れがある「観察対象国」入りは免れた。

今回の報告書では、日本は2008年の前回審査から、法整備では半分近くの項目で改善がみられた。だが、NPO(民間非営利団体)がテロ組織などに悪用されるのを防ぐ法整備が4段階中、最低評価だった。

報告書は、銀行が預金口座を開設した後の取引内容の確認や本人確認といった継続的な顧客管理が十分ではないと指摘。取引先企業の背後にいる「実質的支配者」について「正確かつ最新の情報がまだ一様に得られていない」と分析した。

FATFは1989年に設立され、日米欧を中心に37カ国・地域と2機関が加盟している。

今回、審査を終えた29カ国・地域のうち、実質的な合格となる「通常フォローアップ国」は英国やイタリアなど8カ国・地域。米国や中国などは日本と同じ重点フォローアップ国の評価だった。


マネーロンダリング 詐欺や脱税など犯罪で得た収益について、出所や本当の所有者を分からないようにして捜査機関による摘発を逃れようとする行為。「資金洗浄」と訳される。他人名義や架空企業の銀行口座を使って転々と送金を繰り返したり、株などの購入を装ったりするのが代表的な手口とされる。放置すると組織犯罪やテロなどの資金源となるため、対策が国際的な課題になっている。

>日本のNPO、マネロンに悪用懸念 テロ資金への低い危機意識指摘

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