浪速風

ふわり 京都めぐり

高島屋大阪店で開催されている安野光雅さんの追悼展「洛中洛外と京都御苑の花」展=大阪市中央区(沢野貴信撮影)
高島屋大阪店で開催されている安野光雅さんの追悼展「洛中洛外と京都御苑の花」展=大阪市中央区(沢野貴信撮影)

「わたしの空想はその喧噪(けんそう)を離れて空へとのぼる。目の前のものが目の下になり展望が開ける。空想くらいありがたいものはない。絵の中に、暮れの弘法市(こうぼういち)が広がってくる」。画家の安野光雅さんが京都・東寺の弘法市を描いたときのエッセーだ。独特の視点の絵がどうやって生まれたのかがよくわかる

▶昨年12月に亡くなった安野さんの追悼展「洛中洛外と京都御苑の花」が大阪市中央区の高島屋大阪店で開かれている(9月6日まで)。風景画のどれも少し俯瞰(ふかん)したような構図は空想のなせる業だった。子供のころから空想好きで、幼い弟に空想話をしては楽しませたという

▶優しい色の水彩画は、眺めていると一緒に京都を旅している気分になること請け合いだ。コロナ下で是非にといえないのがつらいが、毎週1作ずつウェブサイトでも紹介している。こんなときだからこそ、癒やし系の絵と人柄がにじむ軽やかなエッセーを楽しんでもらいたい。