「循環するまち」へ ごみリサイクル65% 福岡・大木町の挑戦

■分別意識高まる

「くるるん」の稼働で、廃棄物の分別を大切にする住民の意識が高まった。平成20年には全国2番目となる「もったいない宣言」を出し、本格的にごみの減量運動を始めた。同町のごみの分別は現在29種類。分別すればするほど住民が得をする仕組みを導入し、やる気を刺激している。

例えば、プラスチック類のごみ指定袋は、燃やすごみ袋の6分の1の値段。生ごみは地区の回収容器に出せば無料だ。古布や古紙の資源ごみは49行政区ごとに設けた回収ボックスにいつでも出せるようになっており、行政区によっては年間10万円を超える収入になるという。

同町は紙おむつのリサイクルにも取り組んでいる。回収された紙おむつは、建設資材として再生されている。現在の回収量は年間約100トンだが、住民の高齢化とともに、増加するとみられており、高齢者のごみ出し作業をサポートする事業も始めた。

その他のごみは環境プラザに持ち込み、分別して出す。徹底した分別によって焼却するごみは、ピーク時から6割減り、約2億3千万円あった処理費用は13年間の平均で約2700万円削減された。今春、環境省が公表した令和元年度の同町の廃棄物リサイクル率は65・3%で、全国6位の成績。福岡県内市町村のリサイクル率平均21%を大きくリードしている。

■気候非常事態を宣言

元年に「気候非常事態宣言」を出した同町が今、力を注いでいるのがプラスチック類のリサイクル事業だ。「温室効果ガス排出実質ゼロ社会」の実現を目指して昨年、大川、筑後、柳川、みやまの4市とともに、福岡筑後プラスチックリサイクルグループ協議会を発足させた。回収の対象は玩具や文具にもおよび、5市町に大牟田市を加えた昨年度の回収量は1145トンに上る。回収したプラスチック類は町内の業者が油化し、再利用している。

同町は低炭素社会に向けて今春、2050年を目標とし、3段階に分かれるロードマップを策定した。今年度は第1段階として、町庁舎など7つの公共施設を電力供給のための自営線で連結。太陽光発電と大型蓄電池で、災害時の避難所に電力を48時間供給できるシステムを構築する事業に着手した。夜間発電が可能な「くるるん」も拠点の一つとする。

町では同時に、ごみの再資源化をさらに徹底するとともに、町民に対し、省エネ型の生活スタイルを呼び掛けている。(永尾和夫)

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