【日本語メモ】「すっぱ抜く」の「すっぱ」は何でしょう - 産経ニュース

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日本語メモ

「すっぱ抜く」の「すっぱ」は何でしょう

校閲作業で使う「産経ハンドブック」。校閲部員の必需品です
校閲作業で使う「産経ハンドブック」。校閲部員の必需品です

「すっぱ抜く」という言葉があります。意味は、隠し事や醜聞、不祥事を暴いて明るみに出すことです。

ところで、「すっぱ」とは一体何のことでしょう? 「スッパーン」と目にも止まらぬ速さで人の秘密を奪い取ることから来る擬音かな、と考えている人が多いかもしれません。

さにあらず、「すっぱ」は忍者のことです。漢字だと「透破」(または「素破」)と書きます。

「忍者」の呼称が定着したのは、時代小説や映画、漫画で人気を博した昭和30年以降であり、江戸時代までは統一した呼称はなく、「忍び」「乱破(らっぱ)」「草」「伺見(うかみ)」「間者(かんじゃ)」「隠密(おんみつ)」「奪口(だっこう)」「軒猿(のきざる)」「聞者役(ききものやく)」「黒はばき」「物見」「早道之者(はやみちのもの)」「三ツ者(みつもの)」「間士(かんし)」「かまり」など、地方によりさまざまな異称がありました。「透破」はそのうちの一つであり、戦国時代、甲斐国の武田家に仕えた忍者集団である甲州透破が有名です。

「透破(忍者)」が目にも止まらぬ早わざで情報を得るさまから、「すっぱ抜く」という言葉ができたというわけです。

今回、「すっぱ」について書こうと思ったきっかけは、夏休みの旅行計画でした。娘にどこか行きたい所はないか尋ねたところ、「小学校の修学旅行で行った日光江戸村(栃木県日光市)の忍者をもう一度見たい」と言うのです。

前向きに検討しましたが、コロナの緊急事態宣言発令中でもあり、家族総出の県境越えは自粛すべきだとの結論に至りました。

マスクなしで堂々と移動し、日光入りして娘の願いをかなえられるのはいつの日なのか。

ああ、早く「すっぱ」に会いたい!

(は)