カブール空港の運営が焦点に 退避や人道支援の玄関口、テロの脅威で不透明

27日、アフガニスタン・カブールの空港を警備する米兵(共同)
27日、アフガニスタン・カブールの空港を警備する米兵(共同)

【ワシントン=大内清】アフガニスタンの首都カブールの国際空港で在留外国人らの退避が続く中、米軍をはじめとする外国部隊の撤収期限である8月31日以降に空港をどう運営するかが国際社会の焦点となっている。取り残された外国人らの退避や、アフガンへの人道支援などを進める上で、空港施設の管理や空路の安全確保が決定的に重要な意味を持つためだ。北大西洋条約機構(NATO)の一員であるトルコが航空管制などを担う案が浮上しているが、テロの標的となる危険性も高い中での実現性は不透明だ。

「空港が9月1日以降も通常通りに運営されると考えることはできないだろう」。米国務省のプライス報道官は27日の記者会見でこう述べ、8月末までに出国できずに取り残される人々の移送が困難になるとの見通しを示した。

カブールの国際空港はこれまで、主に米国をはじめとするNATO諸国の文民が航空管制や燃料補給作業を担い、米英やトルコなどの部隊がそれを警備する態勢がとられてきた。こうした業務に習熟したアフガン人は限られる上、アフガンの実権を掌握したイスラム原理主義勢力タリバンによる支配を嫌って国外に逃れている者も多いとみられる。

このためタリバンは、NATO加盟国ながらイスラム教国であるトルコに空港管理での協力を要請。背景には、他国から人道支援を得るための「空の玄関口」を確保し、国際社会からの完全な孤立を避ける思惑がある。トルコとしても、アフガンでの影響力確保や、米国に恩を売るための好機であることから、前向きな姿勢だったとされる。

しかし26日には空港ゲートで、米兵や国外脱出を希望するアフガン人ら100人以上が死亡する自爆テロが発生。実行したイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)傘下の「ホラサン州」(IS―K)は、さらなるテロを計画している可能性が高いと指摘されている。

これを受けてトルコのエルドアン大統領は27日、空港管理を担うかどうかは「平穏になってから決定する」と述べ、タリバンが事態をどの程度制御できるかを見極める考えを示した。

米国など国際社会は、自国民やアフガン人協力者らの保護をめぐり、タリバンの治安維持能力にいっそう依存せざるを得ない状況に追い込まれている。