【ニューヨーク=平田雄介】米国防総省は28日、アフガニスタンの首都カブールの空港周辺で起きた自爆テロで死亡した米兵13人の身元を発表した。海兵隊は女性2人を含む11人、海軍と陸軍が1人ずつ。退避活動を支援中だった。平均年齢は22・3歳。3週間後に父親になる若者もいた。テロを防げなかったバイデン大統領や国防総省の対処方針に「本当に失望した」と話す遺族もいる。
亡くなった海兵隊のカリーム・ニクーイ氏(20)の父、スティーブさんは「現地司令官は脅威を認識して対処すべきだった」と怒りを隠さない。ロイター通信が伝えた。事前にテロが迫っているとの警戒情報を発していたからだ。
米中枢同時テロを実行した国際テロ組織アルカーイダを倒すため米軍がアフガンに侵攻したのが2001年。スティーブさんは「同じ年に生まれた息子は、戦争終結とともに人生を終えた」と嘆いた。
母、シャナ・チャペルさんは息子から送られてきた最後の一枚という写真をインスタグラムに投稿。訃報を知り「そんなの噓!と叫んだとき、魂が抜けたように感じた」と書き込んだ。
海兵隊のライリー・マコーラム氏(20)の父、ジムさんはテロ当日のうちに「息子の死を察していた」。メッセージアプリで「元気か?」と送信したが、既読にならなかったからだ。28日付ニューヨーク・タイムズ紙が伝えた。
新婚で3週間後に子供が生まれる。退役後に歴史の教師とレスリングのコーチになるのが目標だった。
他に亡くなったのは、海兵隊のテイラー・フーバー(31)、ジャニー・ロザリオ・ピチャルド(25)、ニコル・ギー(23)、ハンター・ロペス(22)、デーガン・ペイジ(23)、フンベルト・サンチェス(22)、デビッド・エスピノザ(20)、ジャレド・シュミッツ(20)、ディラン・メロラ(20)の各氏ほか、海軍のマクストン・ソビアク氏(22)と陸軍のライアン・ヌアス氏(23)。