ブラインドサッカー日本代表・千葉県職員の佐々木康裕さん 「ドリブルで相手崩す」

ブラインドサッカー日本代表に選ばれた千葉県職員の佐々木康裕さん=7月、県庁
ブラインドサッカー日本代表に選ばれた千葉県職員の佐々木康裕さん=7月、県庁

視覚障害の選手が出場するブラインドサッカー(5人制サッカー)で、東京パラリンピックの日本代表に選ばれた。千葉県職員として働き、家族にも励まされながら練習を積み重ね、チームの一員として大舞台に臨む。「うれしくて光栄。プレッシャーも感じているが、全力で戦って結果を出す」と言葉に力を込める。(小野晋史)

同県四街道市出身で、生まれつき緑内障を患った。小学生になり、網膜剥離(はくり)も発症。手術を繰り返すうちに視力が低下していった。

視力があったころはサッカー好きで、暇さえあれば友達と一緒にボールを蹴っていた。全盲になってからは無理だとあきらめていたが、27歳ごろにブラインドサッカーと出合い、「サッカーの楽しみが凝縮されている」とのめり込んだ。

すぐに頭角を現し、数年後には初めて日本代表に選ばれた。「ブラインドサッカーと出合ったことで世界と戦うチャンスも頂いた。本当にサッカーは生きがい」と話す。ドリブルもシュートも得意。本番を前に「もちろん点は取りたい。さらに攻撃の起点となったり、ドリブルで相手を崩したい」と意気込む。

県庁では国際課の副主査として、在住外国人向けの英語による情報発信などを担う。「練習は時間を見つけて、自分のできる範囲で地道にやっている。サッカーだけでは行き詰まることもあり、仕事は仕事でいい切り替えになっている。両立は肉体的にきつい時もあるが、両方ともやりがいを持っている」と話す。

一方、昨年以降は新型コロナウイルスに翻弄された。最初に緊急事態宣言が出されたときは練習も中止となり、まったく体を動かせない日々が続いた。それでも代表メンバー同士が声を掛け合い、オンライントレーニングなどで調整を続けた。

「最初の宣言明けでみんなで集まったとき、本当にサッカーをできるのってすごい楽しい、と思った。改めて新鮮な気持ちで臨むことができた」と振り返る。

日本代表と県職員を兼ねる多忙な日々を支えてくれるのは、妻と2人の娘だ。「小学3年と幼稚園年少の娘からは『頑張ってね』といわれた」と顔をほころばせる。

チームは29日、東京都内の会場でフランス代表との初戦に臨む。グループリーグはブラジル、中国など強豪ぞろい。「本当に大変な戦いになる。自分のやってきたものを全部出し切らないといけない」と気を引き締める。

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