デルタ株「短期リスク」 パウエルFRB議長が講演

米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長=ワシントン(UPI=共同)
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長=ワシントン(UPI=共同)

【ワシントン=塩原永久】米国の中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は27日、毎夏恒例の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)で講演した。新型コロナウイルスの変異株(デルタ株)流行が「短期的なリスクだ」と懸念を表明する一方、景気に「明確な進展がみられる」として、順調な改善が続けば量的金融緩和策を「年内に縮小開始するのが適切」と述べた。

パウエル氏はオンライン形式の講演で、米国で猛威を振るうデルタ株について「影響を検証していく」と述べ、感染の再拡大が経済の先行きの不透明要因になっていると指摘した。

ただ、FRBが重視する雇用情勢について、現状では力強い改善が続くとの見通しを示した。その上で、米国債を買い入れる量的緩和策の縮小時期について、「経済が幅広い改善を続ける限り、今年、資産購入の削減を始めるのが適切になるだろう」と話した。

一方、経済活動の活発化に伴う物価急伸が「当然、懸念要因だ」と指摘。いずれ緩やかな上昇率に戻るとの従来の見方に言及する一方、必ずしも「一時的な要因が減衰するとはみることはできない」と警戒感を示した。

量的緩和の縮小が「利上げの時期を直接示唆するものではない」とも話し、FRBが昨年春に導入した事実上のゼロ金利政策に関連し、利上げを急がない方針を強調した。

FRBは国債と住宅ローン担保証券(MBS)を合わせて月1200億ドル(約13兆円)買い入れている。市場では、パウエル氏が買い入れ額の縮小時期や減額ペースに具体的に踏み込むかに関心が集まっていた。

シンポジウムはカンザスシティー連銀が毎年夏、西部ワイオミング州ジャクソンホールで開催。今年もコロナ対策として昨年に続きオンライン形式となった。