話の肖像画

評論家・石平(59)(26)大切にしてほしい「日本人の精神」

インタビューを受けて=平成26年
インタビューを受けて=平成26年

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《古来日本人が築いてきた精神や伝統に魅せられている。著作も多く、知識と理解は生まれながらの日本人以上だ》


日本は先の大戦に敗れ、GHQ(連合国軍総司令部)の占領政策によって、それまで築いてきた精神や伝統をことごとく否定されてしまいます。

例えば、明治天皇による「教育勅語(ちょくご)」。そこにあるのは普遍的で、ごくごく当然のことです。親への孝行や夫婦円満に暮らすこと、人への慈愛や学問に励むこと…それらが世のためになる、と書かれているのです。これのどこがいけないのか? 今の世の中にも通じるというか、今こそ大切にすべき価値観ではないでしょうか?

親しくさせていただいていた渡部昇一(わたなべ・しょういち)先生(上智大学名誉教授、1930~2017年)はこう言われました。教育勅語を否定するのであれば、「夫婦和合」も否定するのか? とね。明治帝の勅語だからいけないとでも言うのでしょうか? GHQの占領政策が終わって70年近くもたったのに、まだそれに縛られるのでしょうか?

その最たるものが、占領中に〝押し付けられた〟日本国憲法でしょう。自民党は憲法の改正を党是として、1955(昭和30)年に結党されたはずです。ところが今にいたっても、改正は実現していません。

日本の政治の怠慢です。もっといえば、日本国民は思考停止状態に陥っていると言わざるを得ませんね。