浪速風

「誰もができる」社会の実現へ

男子マラソンを超えるスピードで戦われる車いすマラソン
男子マラソンを超えるスピードで戦われる車いすマラソン

東京パラリンピックの最終日に行われる車いすマラソンの世界記録が、どのくらいかご存じだろうか。1時間20分14秒である。健常者の男子マラソンの記録(2時間1分39秒)を大きく上回る。初めて目の当たりにした人は、スピード感に驚くという

▶しかし、彼らは特別な能力を備えた「超人」ではない。地下鉄の駅構内にある10センチの段差を一人では乗り越えられなかったり、道ばたの幅20センチの溝のために迂回を強いられたりする。観戦を通じ、選手たちの努力に思いをはせるとともに、そういう現実も知ってもらいたい

▶話のネタは『障害者とスポーツ』(岩波新書)の著者で、アダプテッドスポーツ・サポートセンター創設者の高橋明さんから聞いた。パラスポーツの原点には「できないではなく、どうすればできるかを考える」とのプラス思考がある。バリアフリーの実現をはじめとした、さまざまな社会問題の解決にも必要な考え方ではないか。学ぶべきことは多い。