海上保安庁は27日、小笠原諸島・硫黄島の南約50キロの海底火山「福徳岡ノ場」で確認された新島を26日午後に航空機で観測し、丸かっこのような形をした東西の新島のうち、東側が一部を残して海没していたと発表した。西側はほぼ変化がなかった。
海保によると、二つの新島に挟まれた火口では、海面上に灰色の物質が湧き出ていた。茶褐色に変色した水が広く分布し、西方に延びていた。観測中の噴火はなかった。
同乗した東京工業大火山流体研究センターの野上健治教授は海保を通じ「西側の新島に大きな変化はなく、しばらくの間は陸地として残るだろう。活発な火山活動は現在も継続している」とのコメントを出した。
福徳岡ノ場では明治37年、大正3年、昭和61年に新島が現れたが、いずれも海没した。