【台北=矢板明夫】香港政府は26日までに、映画の検閲を厳格化する条例改正案を発表した。9月初めにも立法会(議会)で審議され、可決される見通しだ。表現の自由が一層制限され、香港の映画産業の衰退につながることを関係者は懸念している。
昨年6月に施行された香港国家安全維持法(国安法)を踏まえ、映画の中に国家の安全に不利益となる内容がないかを審査し、当局が「不合格」と判断した映画は、上映禁止だけでなく、制作者の刑事責任を問うことができる。
香港ではこれまで、映画をめぐり性的・暴力的な内容の規制はあったが、政治的な内容に関する規制はほとんどなかった。