ふと入ったリサイクルショップで好きな柄の浴衣を見つけた。この浴衣をリフォームしてワンピースを作ったら、涼しくてよいだろうなと思った。
紺地に淡く蝶々が描かれていて、女郎花(おみなえし)の花もちらほら入っている。かわいいけどおとなしい柄なので私が着てもそう派手にはならないだろう、などと思いながら購入した。
梅雨が明け、暑さが増してきた中、浴衣をほどくことに取りかかった。
しっかりと丁寧に縫ってある。既製品のそれとは違う。一針一針に心がこもっているように感じた。
誰が誰のために縫ったのだろう、まだそんなに着古してはいない。すてきな浴衣なのにあまり着てもらえなかったのかな…。
ほどいた後、きれいに糸くずを取り、たらいの中で手洗いし陰干しをした。
干している間にスタイルブックを開き、簡単なデザインを探した。型紙がなくても作れそうだ。
以前着物リフォームの教室へ通い、不用の着物から数着の洋服を仕立てたことがある。だから浴衣のワンピースは簡単、明日一日で縫えるだろう。
のんびりしていると夏はさっさと行き過ぎてしまいそうだ。
今年もコロナ禍で地域の夏祭りは中止になった。来年、夏祭りが開催されれば、このワンピースを着て参加したいと思う。
和田惠美子 71 福岡県宇美町