時代超えて活躍 警察OB・OGのポリスサポーター、パラでも

【東京パラリンピック2020】お台場海浜公園内の水上に設置されたパラリンピックのシンボルマーク「スリーアギトス」のモニュメント=20日午前、東京都港区(佐藤徳昭撮影)
【東京パラリンピック2020】お台場海浜公園内の水上に設置されたパラリンピックのシンボルマーク「スリーアギトス」のモニュメント=20日午前、東京都港区(佐藤徳昭撮影)

開催中の東京パラリンピックで、警視庁OB・OGのボランティア「警視庁ポリスサポーター」が活躍している。サポーターは8日に閉幕した東京五輪で新たに導入され、元警察官の経験を生かして会場周辺の巡回や道案内に加え、環境整備など幅広く活動。前回の1964年東京五輪では現役の警察官として警備に従事した人などもおり、時代を超えて五輪・パラの円滑な運営を支えている。

ポリスサポーターは46~87歳の警視庁OB・OGで、登録人数は90人。警視庁がOB・OGに警察活動の協力を求めるのは今回が初めてで、今後のレガシーになると期待されている。

東京五輪期間中はメインスタジアムの国立競技場(新宿区)近くの交番で巡回や道案内など、警察官の補助をしたほか、インターネット上で五輪を妨害する書き込みがないかサイバーパトロールも実施した。外国語や手話ができる人もおり、幅広い活動を行った。

無観客開催で観客誘導などの活動がなくなった代わりに、会場周辺のゴミ拾いなども行ったという。パラリンピックでも同様に活動している。

前回大会では国立競技場で警戒をした警視庁OBの矢口四郎さん(76)は、今回も競技場周辺の巡回に従事。支給されたポリスサポーターのユニホームに袖を通した際に「制服で勤務した気持ちが戻った。不審人物がいないか目を光らせた」と語った。

前回は白バイ隊員として従事したという佐藤清志さん(79)は、海外から来た五輪関係者との交流にも努めたといい、「『日本の食事はおいしくて快適だ』といわれた。世界に誇れる五輪になったと思う」と振り返った。

日本陸連の審判員資格を持つ前原孝さん(78)は、秩父宮ラグビー場(港区)などで警戒に当たった。トマトジュースを飲んで熱中症対策をしたといい、「会場周辺がかなり整備されていて前回大会より安全性が増していた」と話す。

3人はパラリンピックでも活動しており、矢口さんは「五輪と警備体制は変わらないので、担当をしっかり行いたい」と意気込む。佐藤さんも「パラの精神や共生社会の意義を感じながら温かい心と笑顔でお手伝いしたい」と話した。前原さんは「パラ競技は多くの人が感動すると思う。コロナを吹き飛ばすよう頑張りたい」と力を込めた。

(大渡美咲)

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