【政論】非常時に「夫婦別姓」議論の違和感 - 産経ニュース

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政論

非常時に「夫婦別姓」議論の違和感

自由民主党本部=東京都千代田区永田町
自由民主党本部=東京都千代田区永田町

自民党総裁選の日程が決まった26日、選択的夫婦別姓の早期実現を目指す同党の「選択的夫婦別氏制度を早期に実現する議員連盟」(会長・浜田靖一元防衛相)が国会内で総会を予定していた。議連関係者によると、衆院選に向け党公約に「夫婦別姓」の早期導入を盛り込む目的で開催を目指したという。

24日に延期を決めたが、案内状によると、特定秘密保護法に反対し、共産党の機関紙「しんぶん赤旗」に登場したこともある大学教授を招く予定だった。議連の顧問には閣僚や党幹部が名を連ねるが、新型コロナウイルスの感染拡大が続く非常時に総会への参加を呼びかける意義は何なのか。

選択的夫婦別姓を含む氏制度の在り方は、3月に同議連、4月に別姓導入に慎重な「婚姻前の氏の通称使用拡大・周知を促進する議員連盟」(会長・中曽根弘文元外相)がそれぞれ立ち上がり、議論が白熱した。

党内が二分しかねない状況を受け、政調会の「氏制度のあり方に関するワーキングチーム(WT)」(座長・石原伸晃元幹事長)は論点整理を示したが、党は本格的な議論を衆院選後に先送りした。野党第一党の立憲民主党が選択的夫婦別姓を公約に盛り込む可能性を踏まえ、自民党内で賛否が割れるテーマを扱うのを避けるためだ。

政府は昨年12月に閣議決定した第5次男女共同参画基本計画に「更なる検討を進める」と明記し、最高裁は今年6月、「夫婦別姓」を認めない民法の規定を「合憲」と判断した。家族の在り方の根幹に関わる氏制度の議論は、政争の具になることを避け、腰を据えて取り組むべきだ。

内閣支持率が急落している時期に党分裂を招きかねない議論を蒸し返すよりも、今は結束して医療提供体制などのコロナ対策と経済・社会活動の両立に向けた道筋を示すときにあるのではないか。(小川真由美)