日本のコロナ論文数は世界で14位、諸外国にリード許す

新型コロナウイルスに関する国別の学術論文数で、世界的流行の初年となった2020年の日本の順位は14位だったことが、文部科学省科学技術・学術政策研究所の調査で分かった。新型コロナ対策をめぐっては、国産ワクチンの開発・実用化の遅れが指摘されているが、関連論文発表でも諸外国にリードされていることが浮き彫りになった。

同研究所が毎年発表している「科学研究のベンチマーキング」の最新版で、2020年に科学誌に掲載された新型コロナに関する論文数(暫定値)を各国別に抽出。論文は国をまたいだ複数の研究者による国際共著が多いため、国ごとの論文への貢献度に対応して数値を補正している。

それによると、米国(2552本)、中国(2116本)、イタリア(1313本)がトップ3。以下インド、ドイツなどと続き、日本は181本で14位だった。研究開発費の多さから同研究所が科学研究に関する主要国と位置づける7カ国(日本、米国、英国、ドイツ、フランス、中国、韓国)ではワースト2位。

同研究所によると、新型コロナ関連の論文では、主要国以外でも感染者が多く報告されている国や地域が上位に入っている。自然科学の論文数全体では例年、日本がトップ5以内を維持しているが、全体では日本より下位にいるブラジルなどが新型コロナ関連で上回った。

各国ごとの新型コロナの感染者数と論文数の詳しい相関関係は不明だが、ほかの感染症に関する各国の論文数を分析してもテーマとなった感染症が拡大している国や地域で発表が多い傾向にある。同研究所は、「感染拡大が論文数増加の何らかの要因になっている可能性がある」とみている。また、デルタ株の流行など今年に入り新型コロナを取り巻く状況が変化し続けていることから、今年末の論文数では順位が入れ替わる可能性もあるという。

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