米軍、アフガン駐留延長せず

滑走路を走る米軍機の周りに集まるアフガニスタンの人々。米軍撤収が進む中、タリバンはアフガン全土を制圧した=8月16日、カブール(AP)
滑走路を走る米軍機の周りに集まるアフガニスタンの人々。米軍撤収が進む中、タリバンはアフガン全土を制圧した=8月16日、カブール(AP)

アフガニスタン情勢をめぐる先進7カ国(G7)首脳会議が24日、オンライン形式で開かれ、同国で実権を掌握したイスラム原理主義勢力タリバンに対し、各国の国民や軍の元通訳などアフガン人協力者らの国外退避で緊密に連携するとの首脳声明を採択した。退避支援のため、8月末に迫るアフガン駐留米軍の撤収完了期限の延長も協議されたとみられるが、米CNNテレビは同日、バイデン米大統領が延長しない方針を固めたと報じた。

これに先立ち、タリバン報道官が首都カブールで記者会見し、「撤収期限の延長には同意しない。全外国人の退避は8月31日までに完了するよう求める」と述べて、米国を牽制(けんせい)した。また、米国がアフガン国民に祖国からの脱出を促さないよう求めた。

首脳会議は議長のジョンソン英首相がバイデン氏との間で開催に合意し、菅義偉(すが・よしひで)首相も出席。アフガンからの退避への対処が主要議論となった。各国は自国民や軍の元通訳などのアフガン人協力者らの退避を急ぐが、首都カブールの国際空港に国外に逃れようとする人が殺到して混乱が続き、退避作業は遅れている。

一方、ロイター通信は24日、米中央情報局(CIA)のバーンズ長官が23日にカブールでタリバン幹部と会談したと報じた。

バイデン政権高官によると、米軍が退避作戦を始めた14日以降の退避者は米民間人、アフガン人ら計約4万8千人。欧州メディアによると、英国防省は22日、自国民やアフガン人ら5700人以上を退避させたと表明した。ドイツは軍用機を派遣し、20日までに1600人以上を救出。ただ、英政府や欧州連合(EU)は月末までに全員の退避は不可能と指摘する。

こうした状況を受け、英国のウォレス国防相は23日、退避を支援する部隊の大半が米軍であるとし、「カブールからの避難は米国の主導なしには継続できない」と月末までの米軍撤収に懸念を表明。ジョンソン氏は撤収期限の延長を米側に要請してきた。

欧州諸国はアフガン難民の流入に懸念を強めており、首脳会議では難民問題や人道支援も議題に。アフガン難民をめぐっては英国が17日、今後数年間で2万人を受け入れる方針を表明したが、フランスなどは難民流入に警戒を強めている。(ロンドン 板東和正、ワシントン 黒瀬悦成、シンガポール 森浩)