慰安婦〝批判〟禁止法案が物議「尹美香保護法だ」と非難続出 - 産経ニュース

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慰安婦〝批判〟禁止法案が物議「尹美香保護法だ」と非難続出

11日、ソウル西部地裁に到着し、記者団に囲まれる元慰安婦支援団体の前代表、尹美香被告(共同)
11日、ソウル西部地裁に到着し、記者団に囲まれる元慰安婦支援団体の前代表、尹美香被告(共同)

【ソウル=桜井紀雄】韓国の与党「共に民主党」議員らが、元慰安婦への名誉毀損(きそん)を禁じる法案を国会に提出したことが議論を呼んでいる。元慰安婦支援団体の前トップで、寄付金や補助金流用の罪で起訴された尹美香(ユン・ミヒャン)議員も共同提案者に名を連ね、法案では支援団体も保護対象になっていることから、野党や市民団体は事実上の「尹美香保護法だ」と反発を強めている。

与党議員らが今月中旬に提出したのは「日本軍慰安婦被害者の保護・支援および記念事業法」改正案。慰安婦問題について新聞や放送、ネットなどで虚偽事実を流布した者を懲役や罰金に処する内容が柱だ。

加えて元慰安婦や遺族、慰安婦関連団体に対し、誹謗(ひぼう)目的で事実を指摘する行為まで禁じる条項を盛り込んだことが物議を醸した。事件の渦中にある団体や尹氏への批判を封じるものと受け止められたからだ。

尹氏も共同提案者だったことから、野党側は「自分を保護するための立法だ」と反発。韓国紙は、尹氏の不正疑惑を訴えた元慰安婦の女性が「自分の罪を分かっていない」と尹氏を批判する声を伝えた。女性市民団体も24日、法案撤回を求める共同声明を出した。

与党側は既に過去の民主化運動弾圧事件を歪曲(わいきょく)する行為を罰する法律を可決するなど、歴史問題で異論を締め出す立法化を進めてきた。今回の法案も米国のラムザイヤー教授が論文で慰安婦の「性奴隷説」を否定したことへの対抗策として検討されたといい、日本を含む海外の慰安婦研究の排除にもつながりかねない。

ただ、与党報道官は法案について「党として公式に議論していない」と述べ、可決に至るかは不透明だ。