広がる子供の感染、第4波の4倍に 塾でもクラスター

新型コロナウイルス「第5波」で、子供の感染が急拡大している。夏休み期間中であっても学習塾や部活動でクラスター(感染者集団)が相次いで発生するなどし、20歳未満の新規感染者数は5月半ばの第4波に比べ、4倍強に。新学期が始まるのを前に、子供から子供、子供から親への感染拡大に対する懸念が一層高まっている。

幼い子「隔離は無理」

「幼い子供だから隔離は無理。子供から私にいつ感染するのだろうと毎日不安で怖かった」。今月初め3歳の長女が感染した神戸市の女性会社員(41)はこう話した。7月末に保育園の職員の感染が判明し、長女も検査を受けたところ陽性が分かったという。

家庭内感染を防ごうと、女性は就寝中もマスクを着用。幸い他の家族が感染することはなかったが、「長女は症状が出ず、元気いっぱい。『大声で話さないで』と注意しても、なかなか我慢できず、感染対策は難しかった」と話す。長女の療養期間が終了しても、母親である女性は濃厚接触者としてさらに14日間自宅待機となり、仕事への影響も大きい。

塾から家庭内感染へ

感染力の強いインド由来のデルタ株が猛威を振るう第5波では、大人だけでなく子供の感染にも警戒が強まっている。厚生労働省によると、8月11~17日の20歳未満の感染者は2万2175人で全体の18%に。第4波で最多だった5347人(5月13~19日)の4倍以上となった。

厚労省に対策を助言する専門家組織では今月18日、脇田隆字(たかじ)座長が「部活や学習塾での感染が多く報告されている」と警鐘を鳴らした。各地でクラスター事例も少なくなく、千葉県船橋市の学習塾「湘南ゼミナール 小中部 西船橋教室」では先月末以降、職員4人、児童生徒96人が感染。船橋市によると、その後、一部の児童生徒から家庭内へと感染は広がったとされ、保健所は、飛沫(ひまつ)感染や換気対策を徹底するよう指導を行った。

大人は落ち着いて

一方、感染予防と同時に子供の心のケアも求められる。富山大学付属病院小児科の種市尋宙(ひろみち)医師は「デルタ株の拡大で症状が出る子供は増えているが、重症化例は少ない」と指摘。厚労省によると、8月11~17日の20歳未満の重症者は0人だった。種市医師は「診察で『コロナだったらどうしよう』と泣いてしまう子もいる。感染に注意は必要だが、落ち着いて行動した方が子供にとってよい」と話している。