日本企業、義足や車いすでパラ選手支える

大分国際車いすマラソンでホンダの車いすレーサーを使うスイスのマニュエラ・シャー選手=令和元年11月、大分市
大分国際車いすマラソンでホンダの車いすレーサーを使うスイスのマニュエラ・シャー選手=令和元年11月、大分市

24日に開幕した東京パラリンピックでは、多くの日本企業が持ち前の技術を生かして義足や車いすなどの用具を提供し、国内外のアスリートを支える予定だ。パラスポーツ向け用具市場は大きいとは言い難く、収益貢献が期待できるわけではないが、障害者支援に対する企業の思いは五輪に負けず劣らず強い。

ホンダは「レーサー」と呼ばれる陸上競技用の車いすを開発。今大会では、市販も行っている「翔(かける)」の最上位モデルを海外の2選手、標準モデルを女子車いすマラソンの喜納(きな)翼選手が使う予定だ。

F1で培った技術などを応用し、軽くて強度のある炭素繊維強化プラスチック(CFRP)をフレームやホイール表面に採用。ステアリング周辺のパーツなどをフレーム内部に格納することで、風の抵抗をギリギリまで減らしたほか、流麗なデザインを実現した。

製品化に当たっては傘下の本田技術研究所(埼玉県和光市)と八千代工業(同県狭山市)、特例子会社のホンダ太陽(大分県日出町)が協力。従来は八千代工業が「極(きわみ)」の名で販売していたが、2年前に翔へ改め、ホンダブランドを使い始めたのを機に販売を強化した。

テスト大会でミズノと今仙技術研究所が開発した義足用ブレードを履いて走る高桑早生選手=5月、東京都新宿区の国立競技場
テスト大会でミズノと今仙技術研究所が開発した義足用ブレードを履いて走る高桑早生選手=5月、東京都新宿区の国立競技場

ミズノは福祉機器メーカーの今仙技術研究所(岐阜県各務原市)と、競技用義足の主要パーツであるブレード(板バネ)「KATANAΣ(カタナシグマ)」を開発。開発段階で意見を出してもらった陸上女子100メートルの高桑早生(さき)選手が、本番でもつけることになっている。

接地部分の近くに大きな穴を開けたのが特徴。穴がない場合に比べ空気抵抗を31%減らし、従来品比で15%の軽量化も達成した。ミズノは「障害者スポーツに貢献できればと、技術を持ち寄って開発した。高桑選手には十分に力を発揮してもらいたい」と話す。

今大会では、ほかにもブリヂストンが義足用ゴムソールを開発し、パラトライアスロンの秦由加子選手に提供。サングラスなどを手掛ける山本光学(大阪府東大阪市)は、視覚障害者水泳向けに光を遮断して競技条件を公平にする「ブラックゴーグル」を開発、複数の選手が使うという。(井田通人)

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