「日本の教育を受け、日本人以上に日本の心を持った方だったと考えている」
講談師の一龍斎貞花(いちりゅうさい・ていか)が今月13日、東京都中央区のお江戸日本橋亭で開かれた公演で、新作講談「日本と台湾の梯(かけはし)・李登輝伝」を熱演した。
日本統治時代の台湾で教育を受けた「台湾民主化の父」、台湾元総統の李登輝氏。権威主義体制下にあった台湾で一党独裁を逆手にとって、一発の銃弾も流血もなく民主化し、社会の発展に尽くしたその人生をたどる。産経新聞に連載され、書籍になった「李登輝秘録」(河崎真澄著、産経新聞出版刊)が原作だ。
「愛国心にあふれていた。今の若い人たちにも、李氏の人生を知ってもらえたら」と願う。
これまでも日本と台湾のつながりを題材にした講談を多く発表している。不毛の大地を台湾最大の穀倉地に変えた「台湾に命がけのダム建設・八田與一」や、日本初の超高層建築である霞が関ビルディングなどを手掛けた「日本超高層建築の父・郭茂林」などだ。「国を愛する心があればこそ、成し遂げられる偉業もあるでしょう」と笑顔で話した。
9月11、12日には「玉川上水苦心談」などを演じる「靖国講談会」を靖国会館(千代田区、靖国神社内)で行う。問い合わせは03・5673・2300。