浪速風

ロックダウンを論じるならば

新型コロナウイルス感染防止のため、ロックダウンしたシドニーの中央駅。人影はほとんどない=13日(AP)
新型コロナウイルス感染防止のため、ロックダウンしたシドニーの中央駅。人影はほとんどない=13日(AP)

コロナ禍と関連づけて読めば、総務省の労働力調査が面白い。昨年の日本人の年間労働時間は1811時間で、一昨年より58時間減った。一昨年は32時間減だったので、長時間労働の是正がかなり進んだことになる。理由は、コロナ禍による企業活動停滞とテレワークの広がりだという

▶欧米に目をやると、この数字はケタが変わる。英国は170時間減、フランスは109時間減。日本と同じ理由に加え、厳しいロックダウン(都市封鎖)で働くこともままならなかったからだ

▶人流抑制のために日本でもロックダウン論議が起こっている。菅義偉首相は「ロックダウンした欧米でも感染拡大は防げなかった」と消極的で、それを野党が責める構図だ。が、そもそも移動や移転の自由を憲法が保障する日本でロックダウンなどできるのか。営業自粛要請を無視する飲食店に罰金を科すことさえ反対したのは誰だったか。変節漢たちの国会論議に失笑を禁じ得ない。