アストラ製、自治体慎重 重症化抑制も副反応懸念

アストラゼネカ製ワクチン(ロイター)
アストラゼネカ製ワクチン(ロイター)

原則40歳以上を対象にした英アストラゼネカ製の新型コロナウイルスワクチンをめぐる自治体の対応が分かれている。接種を始めた自治体では予約が相次ぎ、重症者の増加が際立つ40~50代への接種加速で、重症化の抑制効果を期待する。ただ当面は供給量が限られる上、複数のワクチンを扱う煩雑さなどから導入を見合わせる自治体も多く、都道府県が中心の限定的な使用にとどまるとみられる。

23日からアストラ製の接種を始めた埼玉県川口市。40~50代が接種しやすいように午後5時以降に対応しており、最大5千人のうち約9割の予約が埋まった。埼玉県は25日と26日、さいたま市の県浦和合同庁舎でも計約2千人に接種。他に戸田市など5市町が使用を希望しているという。

アストラ製は海外でごくまれに血栓症の副反応が報告されたため、7月に40歳以上への使用を承認。アレルギーなどで米ファイザー製やモデルナ製を接種できない人や、海外でアストラ製を1回接種した人なら18歳以上でも接種できる。冷蔵保存が可能で輸送や保管がしやすい利点もある。

国は重症化リスクのある40~50代への接種促進を狙い、感染が拡大する緊急事態宣言の対象地域に優先的に配分することを決定。国内向けに確保した200万回分から首都圏1都3県と大阪府、沖縄県に計5万2800回分を割り当て、接種会場を少なくとも1カ所設けることを求めた。

首都圏では、神奈川県が25日から8200人分の予約を受け付け、30日から横浜市内のホテルで接種を開始。東京都は9月1日から都庁北展望室(新宿区)で接種を行う。大規模接種会場のない千葉県は、希望する市町村に配分する方向で調整しているという。

東京23区では、中野区が「ファイザー製が著しく不足する場合などに備え、活用を検討する必要がある」と前向きな姿勢だが、それ以外の区は「使用の予定はない」「検討中」などと慎重な対応が目立つ。

年齢制限や副反応の懸念に加え、8週間という接種間隔の長さ、ファイザー製を含めた複数のワクチンを扱うことによる混乱を避けたい意向がみえる。港区の担当者は「ワクチンの種類が増えると誤接種のリスクが高まる」としている。