産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が21、22両日に実施した合同世論調査で、自民党支持層のうち次期衆院選の比例代表投票先として自民と回答したのは、7月17、18両日の前回調査から7・8ポイント増の86・3%と大きく伸長した。一方、「次の首相」として菅義偉首相を選んだ人は9・9ポイント減の5・1%にとどまり、自民支持層ですら「菅離れ」が進む実態が浮かんだ。
「次の首相」に菅首相を挙げる人の割合は、6月が19・6%、7月が15・0%、8月が5・1%と急落している。ただ、比例代表投票先は6月(81・0%)、7月(78・5%)ともに堅調に推移。新型コロナウイルスの感染が急拡大する中、党内には「比例は自民に入れないという声が多い」との危機感が広がっていたが、今回調査では8ポイント近くも上昇した。
衆院議員の任期満了を10月21日に控え、衆院選の現実味が増してきたことに加え、共産党を含む野党共闘に対する自民支持層の警戒の表れとも言えそうだ。一方で、コロナ対策で後手に回り続ける首相には「ノー」が突き付けられた形とも映る。
首相の地元で行われた22日投開票の横浜市長選では野党統一候補が勝利し、自民にとっては間近に迫った衆院選に向けた野党共闘の脅威が迫る。自民幹部は「地方自治における選挙の結果が国政に反映することはない」と強気の構えだが、若手は「ここで自民の自浄作用を示さないと衆院選で大変なことになる」と焦りの色を濃くしている。(長嶋雅子)