菅首相、支持率下落とお膝元敗北の「ダブルパンチ」

菅義偉首相が「ダブルパンチ」を受けた。報道各社の世論調査で内閣支持率の下落が続き、22日投開票のお膝元・横浜市長選では弟分で前国家公安委員長の小此木八郎氏が大敗。新型コロナウイルスの感染拡大はなお続き、好材料に乏しい。自民党内では衆院選前に複数候補による総裁選を行うことで起死回生を図るべきだとの意見が広がりつつある。

産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)の21、22両日の合同世論調査では、内閣支持率は32・1%で今年1月以降最低だった。東京五輪後に行われたほかの報道各社の世論調査も同様の傾向で、「危険水域」とされる2割台の調査もある。

産経・FNNの調査で支持政党別に内閣支持率をみたところ、自民支持層では前回調査(7月17、18両日実施)比で8・6ポイント減の61・4%、公明党支持層では8・7ポイント減の46・9%、「支持政党はない」とした人では5・1ポイント減の16・7%と、与党支持層や無党派層での落ち込みが目立つ。

閣僚経験者は「衆院選で与党支持層が投票に行かず、無党派層が野党に投票することも考えられる。厳しい」と危機感を示した。

横浜市長選の結果は自民内に衝撃を与えた。首相は側近の坂井学官房副長官を現地入りさせるなど小此木氏を全面支援した。にもかかわらず、首相の選挙区の衆院神奈川2区(西区、南区、港南区)ですら小此木氏は首位に立てなかった。

自民の森山裕国対委員長は23日、記者団に「地方自治における選挙結果が国政に反映することはないと思う」と述べた。一方で若手は「選挙を戦えない。衆院選前に総裁選を行い、表紙を替えることも考えるべきだ」と漏らした。

自民は26日に総裁選日程を「9月17日告示-29日投開票」と決める方向だ。岸田文雄前政調会長が出馬の方向で調整し、下村博文政調会長や高市早苗前総務相は推薦人となる党所属国会議員20人の確保に向けて動いている。これに対し、首相に近い議員は「首相を代えろという議員は風頼みだ」と不快感を示した。

立憲民主党の福山哲郎幹事長は23日、記者団に総裁選について「政治空白をつくることになる」と指摘。「自民は1年前に菅首相を決めたはずだ。感染拡大している最中に総裁選をやり、自分たちが担いだ首相を否定するようなことは非常に違和感がある」と述べた。(沢田大典)

【産経・FNN合同世論調査】菅内閣支持率続落、今年最低32・1%