お膝元で敗北、菅政権に大打撃 横浜市長選

閣僚、衆院議員を辞して臨んだ横浜市長選で小此木八郎氏が敗れ、全面支援した菅義偉首相(自民党総裁)の政権運営は厳しさを増すことが必至となった。衆院選を間近に控える中、党内では支持率が低迷する菅内閣への不満が募っており、9月に実施予定の総裁選を前に求心力が低下して「選挙の顔」を代えるべきだとの声が強まる可能性がある。

「私の説明不足、力不足だった」。小此木氏は22日夜、横浜市内の事務所で、こう敗戦の弁を述べた。敗北確実の一報が入った後、首相にショートメールで感謝の言葉を送ったところ、「ご苦労様」と返信があったことも明かした。

昨年9月の就任以降、首相の下で行われた自民の選挙は総じて不調だが、今回は地元・横浜での敗北だけに衝撃は大きい。首相は選挙前の7月29日発行のタウン紙で「全面的かつ全力で応援する」と打ち出し、今月3日の党役員会でも幹部らに小此木氏の支援を呼びかけていた。

この首相との近さが小此木氏にとって裏目に出たとの見方が根強い。選挙戦と並行する形で新型コロナウイルスの新規感染者数が増加。コロナ対応への不満から報道各社の世論調査で内閣支持率は軒並み過去最低となり、党神奈川県連幹部は「政権の不人気が小此木氏の不人気につながったのではないか」と語る。

党重鎮は「菅首相で衆院選に臨むことは変わらない」と強調し、首相の続投を望む党幹部も「横浜市長選は一地方選挙にすぎない」と火消しに懸命だが、指導力を含め首相に衆院選の「顔」として疑問符がつくことは避けられない。

党横浜市連会長でもある坂井学官房副長官は22日夜、「小此木氏に推薦を出すことができず、まとめきれなかった。民意でもあるので、謙虚に受け止めなければならない」と述べた。