書評

『歴史の鑑定人』ネイサン・ラーブ、ルーク・バール著、冬木恵子訳

『歴史の鑑定人』
『歴史の鑑定人』

副題は「ナポレオンの死亡報告書からエディソンの試作品まで」。史料文書鑑定家のネイサン・ラーブは、歴史に名を残した人物の文書を数多く売買してきた。ケネディ米大統領暗殺事件に関係する音声テープを発見した経験も。本書は、ラーブ自身の鑑定をめぐるノンフィクションだ。

進化論を提唱したダーウィンの人種問題に関する考えが読み取れる書簡に、どのような価値があるか。米公民権運動の黒人指導者キング牧師の恋文を公表したら、偉人の名誉を傷つけるのではないか。それぞれの文書にまつわるドラマに加え、文書の金銭的価値も興味深い。(草思社・2420円)