「鬼筆」越後屋のトラ漫遊記

「中田翔」獲得で追撃ムードの原巨人、阪神Vのカギは打撃改造「佐藤輝」が握る

結果はリーグ再開後の数字に表れています。6試合消化時点で打率4割4分(25打数11安打)、3本塁打の7打点です。長打力はそのままで、確実性が増したわけですね。ある阪神OBは打撃の変化についてこう語っています。

「五輪期間中の打撃を見ていて、オッ!と思ったんだ。打球の方向がセンター中心になっていて、ライナー性が多くなった。コンパクトにスイングして、頭の位置が動かないから、打球がセンター中心のライナー性になるんだ。あの打撃姿勢が続くなら、確率は増すし、佐藤輝のパワーなら左右どちらでも本塁打になるだろう」

佐藤輝は大リーグのジャイアンツなどで通算762本塁打を放ったバリー・ボンズの打撃を参考にしているようですね。ボンズも打撃の軸がブレず、コンパクトに振りながら、投球にハードにコンタクトすることで本塁打を量産した左打者です。佐藤輝は前半戦の打撃内容を振り返りながら、大振りでボール球を追いかける…という反省点を見事に矯正したのです。

高まる依存度、4番昇格の可能性も

ただし、阪神OBはこうも付け加えました。

「打撃を変えたら、ちょっとの間はうまくいくんだよ。相手バッテリーも対応に戸惑うしな…。相手はまた新たな攻略法を練ってくる。例えば内角への攻め方をもっと厳しくするとか…ね。それでも、今の新しいスタイルを我慢して継続できるかどうか…だ。コンパクトスイングをこだわりを持って継続できるかがポイントになるかもしれない」

佐藤輝は90試合の全試合に出場し、打率2割8分、23本塁打、59打点です。現時点でも阪神のルーキーとしての本塁打記録(田淵幸一の22本塁打=1969年)を抜き、58年の長嶋茂雄の29本塁打や86年の清原和博、59年の桑田武の31本塁打に迫っています。2リーグ分立(50年)以降のプロ野球史を塗り替える新人本塁打記録の達成は、確実視されています。類いまれなる長打力に確実性が身についたならば、打線の中軸としてますます頼りになるということですね。

矢野阪神が16年ぶりのリーグ優勝を飾るために、残りの50試合は「打ち勝たなければならない」と指摘する阪神OBがいます。佐藤輝の打撃が上昇カーブを描き続けるならば、残り試合の中で4番昇格も有り得るのかもしれません。怪物ルーキーに対するチームの依存度は高くなる一方です。佐藤輝はそれに応えてくれるのではないでしょうか。

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