「七人の侍」「太陽がいっぱい」「スター・ウォーズ」―。日常の風景に映画館があった昭和30年代を中心に、映画館や劇場街に掲げられていた「手書きの絵看板」の輝かしい歴史を写真でたどった。
絵看板師の才能に支えられ、上映期間がわずか1週間でも芸術性に劣ることはない。華々しい絵看板は見ているだけでワクワクしたものだ。今はなくなった大阪のOS劇場など、懐かしい街角の光景も思い起こさせる。
本書では奇跡的に残されていた写真から300作品を厳選し、作品の解説も加えた。戦後の文化史から学ぶ貴重な資料でもある。(トゥーヴァージンズ・2970円)