アフガン「新政権」 日本は承認や支援見極め

17日、実権掌握後初の記者会見を開くタリバンのザビウラ・ムジャヒド報道担当者(左端)=カブール(共同)
17日、実権掌握後初の記者会見を開くタリバンのザビウラ・ムジャヒド報道担当者(左端)=カブール(共同)

アフガニスタンでイスラム原理主義勢力タリバンが実権を掌握してから22日で1週間を迎えた。日本政府はタリバンが樹立を目指す新政権の承認について、米国などと協調しつつ、人権侵害を行わないかなどを見極めて判断する方針だ。一部の邦人や日本大使館の現地職員らはアフガン国内に残っており、現時点で承認の可否を明確にするのは得策でないとの考えもある。

「まずは情勢を注視する。そして女性の人権の尊重だったり、さまざまな形で新しい方向に動きだすのか、見極めていきたい」

新政権の承認について、茂木敏充外相は19日のオンライン記者会見で、こう指摘した。

これまでのところ、タリバン側はイスラム法の範囲内で女性の権利を尊重する考えを示すなど、融和姿勢を打ち出している。だが、以前は「苛烈なイスラム統治」(茂木氏)で、住民の公開処刑や女性の権利制限などを繰り返していただけに、西側諸国には懐疑的な見方が根強い。

先進7カ国(G7)ではカナダのトルドー首相が「タリバンを承認する計画はない」と表明したが、日本政府内には「承認を判断するのは時期尚早だ」との意見もある。現在、出国を希望する外国人やアフガン人の退避などが行われている最中であるためだ。日本も首都カブールの大使館員を国外退避させたが、現地スタッフやその家族らは国内にとどまっている。

そうした人々の安全を確保するには、タリバン側との協議は欠かせない。外務省幹部は「はなから『あなたたちと付き合わない』というのは得策ではない。政権として承認しなくても、やりとりはしないといけない」と打ち明ける。

アフガン向け支援についても、外務省は「国際社会と連携して適切な対応を取る」として、中止や継続を明確にしていない。日本は主要支援国として国際機関経由でアフガン警察の給与支援などを行ってきた。国際機関が対応を決めていないうえ、海外からの援助がなければアフガン財政は行き詰まる恐れがあるため、タリバンに対する圧力にもなるとみている。(田村龍彦)