新聞でニュースを「自分ごと」に NIE札幌大会オンライン分科会 

研究発表する札幌南高校の生徒ら (北海道新聞社提供)
研究発表する札幌南高校の生徒ら (北海道新聞社提供)

教育に新聞を活用するNIE(ニュースペーパー・イン・エデュケーション)の第26回全国大会札幌大会が16日、オンラインで開催された。その一環として、北海道内各校のNIEの取り組みがオンデマンドの「分科会」として順次配信されている。児童・生徒がニュースを自らの関心事として考えたり、自分の主張を効果的に伝えたりするために新聞を活用した25の授業や実践報告が公開される。

SDGsをポスターに

札幌市立桑園(そうえん)小学校5年生の国語の授業では、持続可能な開発目標(SDGs)に関連したポスター作成を通じて実践した。自作のポスターに載せる写真やグラフをどのように選べばよいかを新聞記事を使って学んだ。

夏井彩教諭が、札幌駅前の地下歩道のにぎわいに関する新聞記事を、添えられた資料を隠した状態で児童に提示。添えるべき資料として、①地下歩道の地図②地下歩道の写真③地上の通りの写真④地下歩道と地上の通行量を表す棒グラフ―を児童一人一人に選ばせた。

その後、夏井教諭が新聞社に出向き記者にインタビューした映像を見せた。記者は②の地下歩道の写真を選び、その理由を「伝えたいことに合った資料を選んだ。地下歩道のにぎわいを肯定しつつ、地上もにぎわってほしいから」と説明した。

これを受けて、児童はポスターに添える資料を選んだ。海の生き物を守ろうと訴える児童がプラスチックごみの写真を選ぶと、別の児童が「ぱっと見てどういう主張か想像できる」と反応した。

同市教育委員会の井上絵里指導主事は「記事と資料の両方を提示して課題とすることで、資料を選ぶコツを改めて見直す有効な活動だった」と評価した。

学びを社会参画へ

同市立真駒内(まこまない)中学校2年生の社会科では、山田耕平教諭が「北海道の観光業の持続可能な発展に向けて必要なこと」を学習課題とした。

山田教諭は、ヒグマなどの野生動物に餌を与えると罰金が科される法改正案を報じた記事を示し、罰金に賛成か反対かを質問。生徒は賛否を明らかにしながら、「動物は、人間が与える餌の味を覚えて市街地に出てくると駆除されてしまう」「罰金を科すのでなく注意すればいい」などと発表した。

道内観光の持続可能な発展に関する札幌市立真駒内中の公開授業(北海道新聞社提供)
道内観光の持続可能な発展に関する札幌市立真駒内中の公開授業(北海道新聞社提供)

続いて、山田教諭は知床での自然保護と観光を両立させる「エコツーリズム」の記事を紹介。生徒は「地元、市役所、観光客全てに共通するのは北海道の自然が好きということ。エコツーリズムは必要不可欠だ」などと発言した。

同市教委の阿部晋也指導主事は「社会科の学びを持続可能な社会の形成、社会参画につなげていくために、新聞記事の活用は大きな効果がある」と助言した。

日常的にNIEを行っている北海道立札幌南高校の3年生は「総合的な探究の時間」で、1年間探究してきた活動を5つの班が発表した。

「AI(人工知能)が経済に与える影響」を探究した班は、専門家へのインタビューの答えとして、「AIは現状では人を超えるのは難しい」「AIの導入で単純作業が減るので、産業構造の変化にどう付き合うか考えるべきだ」などと述べた。

道教育庁高校教育課の河村真一郎主任指導主事は「新聞もそうだが、他者のコメントや意見、データに基づいた発表は他者を納得させる力がある」と発言。日常の出来事を、課題設定や情報収集、整理分析、まとめ・表現という過程を通じて、自分の関心事として新たな課題を設定するとよい、と指摘した。

お知らせ

お知らせのニュースをもっと見る