プレハブで病床 民間〝野戦病院〟「現場は命懸けの戦い」

新型コロナウイルスの中等症以下の病床が入るプレハブ病棟=19日午後0時53分、埼玉県三芳町(萩原悠久人撮影)
新型コロナウイルスの中等症以下の病床が入るプレハブ病棟=19日午後0時53分、埼玉県三芳町(萩原悠久人撮影)

限界近い

鹿野院長は「自宅療養者を減らすなど、限りある医療資源を一極集中させる野戦病院には意味がある」と語る。一方で、「ベッドをいくら増やしても、医療従事者の人数に限りがある」と指摘する。

30代の看護師が陽性患者の対応でコロナに感染した。看護師はプレハブ病床で療養しているが、具合が良い時には、他の陽性患者へ食事提供や、酸素ボンベの交換などの業務を手伝っているという。板垣光純(みつよし)看護部長(44)は「現場は全員、命懸けの戦いをしている。もう限界が近い」とし、「これが現実」とつぶやいた。

鹿野院長は「病床数を増やせばいいという段階ではない。そもそも感染者自体をこれ以上増やさない根本的なアプローチが必要」と強調する。「検査を拡充し、陽性者の早期発見、即隔離の体制を整える。水際対策を徹底するなど、まだやるべきことはある」

体育館を活用

急増する感染者対策で臨時医療施設を整備する自治体もでてきた。福井県は体育館に最大100床のベッドを並べ、臨時医療施設とする態勢を整えた。

対象は軽症者・無症状者。県地域医療課の担当者は「野戦病院は〝最後のとりで〟だ」と話す。福井県では、基本的に自宅療養をさせない方針だ。今後、県内の病床が満床になったとしても、保健所が1件ずつ電話したり、患者の住居に医師に巡回してもらったりすることは現実的ではないと判断。臨時医療施設を整えたという。

担当者は「感染拡大を抑える努力を最大限続けていきたい」と強調。施設は整えたが「この病床を使う事態にはなりたくない」と話した。(浅上あゆみ)

会員限定記事会員サービス詳細