プレハブで病床 民間〝野戦病院〟「現場は命懸けの戦い」

ふじみの救急病院の集中治療室では、新型コロナウイルスに感染した患者の治療が行われていた=19日午前11時54分、埼玉県三芳町(萩原悠久人撮影)
ふじみの救急病院の集中治療室では、新型コロナウイルスに感染した患者の治療が行われていた=19日午前11時54分、埼玉県三芳町(萩原悠久人撮影)

新型コロナウイルスの感染急拡大で、入院できずに自宅で亡くなるケースが相次いでいる。首都圏では入院率が1割を切るなど医療体制は逼迫(ひっぱく)。病床を増やすため、臨時医療施設(野戦病院)の設置を求める声が上がる。こうしたなか、プレハブや体育館を活用し、臨時医療施設を整備する民間病院や一部自治体もでている。

19日午前10時ごろ、埼玉県三芳町の「ふじみの救急病院」では、病院裏のプレハブに設置された発熱外来の受付に長蛇の列ができていた。

「濃厚接触者ですか? 喉が痛いなど、症状はありますか?」

最高気温が33度にもなる炎天下で、防護服を着た看護師らが汗を流しながら、患者に聞き取りをしていた。「さばいてもさばいても列が途切れない…」。こんな声が漏れる。

終わり見えない

鹿野(かの)晃院長(48)は「かつてないフェーズに突入している」と警戒する。PCR検査数は1日約800~1千件に上り、第3波のピークだった今年初めと比べても約3倍になった。

重症病床10床は常に満床。前日に2床が空いたものの、当日のうちに新たな重症患者が運び込まれる〝自転車操業〟の状態だ。プレハブ病棟にも中等症以下の病床19床があるが、ほぼ満床の状態が続く。「厳しさは増している。終わりが見えない」(鹿野院長)

ふじみの救急病院は、24時間365日対応の救急科を擁しながら、訪問診療なども行う地域の病院だ。かつては病床数19床以下の小さなクリニックだったが、昨年4月、コロナ患者用の病床を増やすため、駐車場にプレハブの臨時病床を建設した。

隣接する約3千平方メートルの敷地を借り上げ、ドライブスルーにも対応するPCR検査センターと発熱外来もプレハブで整備した。

鹿野院長は「ここは野戦病院のはしりだ」と話す。民間で独自に臨時医療施設を作り、コロナという未曽有の危機に直面した地域医療を支えている。