【記者発】広がる「シェア」使って実感 堺支局長・藤谷茂樹 - 産経ニュース

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記者発

広がる「シェア」使って実感 堺支局長・藤谷茂樹

平成17年入社。京都総局、大阪社会部関西空港支局、大阪経済部などを経て、令和3年4月から堺支局長。大阪の堺・泉北地域を担当している。

担当している堺市は、世界的に知られる自転車部品メーカーのシマノをはじめ、自転車関連の製造企業が集積する「自転車の街」だ。市は、自転車利用を促進する事業に積極的で、昨年3月からシェアサイクルの実証実験を15分70円の料金で行っている。

現在、市内にあるシェアサイクルの専用駐輪場(ポート)は64カ所。開始当初の20カ所から約3倍に増え、利用者を増やしている。

先日、市内に出かけた帰りにポートを見つけたので、利用してみた。スマートフォンに専用のアプリをダウンロード。登録に少してこずったものの、詳しいガイダンスも記されていて利用までの操作は思ったより簡単だった。電動アシスト付きの自転車はペダルがすいすいとこげ、風を切って進む感覚が爽快だ。

市と連携協定を結び、この実証実験を行うオープンストリート(東京)によると、同社がサービス提供するポートは全国3900カ所に及び、同じアプリを通じ、すべて利用可能という。首都圏では新型コロナウイルス禍で密になりやすい電車を避ける意識も働き、シェアサイクルの利用が普及。それに伴い、ホテルやマンションの敷地内にもポート設置が増え、さらなる浸透を後押ししているそうだ。

利用して驚きだったのは、手続きはすべてアプリ上で行うことだ。スマホに表示された暗証番号を自転車の端末に打ち込むと、鍵が外れる。料金もスマホに登録していた決済サービスで支払った。まったく人を介することなく、利用できたことは不思議な感覚で、好きなタイミング、好きなポートに返却することができることも新鮮だった。こうした自由さこそが、大きな特色なのだと実感した。

都市圏で競争が激しくなっているフードデリバリーサービスも、配達網というシステムを共有する点ではシェアリングサービス。貸し借りのレンタルとは違う、共有するシェアは物品に限らず、あらゆる分野に広がっているわけだ。デジタル技術の進化がサービス拡大を促進するのは間違いなく、市場規模は昨年度の約2兆円から10年で最大14兆円まで膨らむとの推計もある。新しいビジネスだけに課題点も出てくるだろうが、この潮流を恐れずに受け入れ、試していきたいと思った。