中国「3人っ子」政策を法制化 「反制裁」香港は見送り

中国全人代常務委員会の会議=20日、北京の人民大会堂(新華社=共同)
中国全人代常務委員会の会議=20日、北京の人民大会堂(新華社=共同)

【北京=三塚聖平】中国の立法機関、全国人民代表大会(全人代)の常務委員会は20日、1組の夫婦が3人目の子供を出産することを認める人口・計画出産法改正案や、個人情報の取り扱いを厳格化する個人情報保護法案などを可決して会議を終えた。外国の制裁に反撃するための「反外国制裁法」の香港導入に関する採決は見送られた。

香港メディアは、反外国制裁法の導入が可決されるとの見通しを報じていたが、「予期せぬ延期」(香港紙)となった。香港で導入されれば経済面でも「一国二制度」が揺らぐため、「国際金融センター」の地位に影響が生じると地元経済界が懸念していた。

香港メディアによると、常務委の香港選出委員、譚耀宗(たん・ようそう)氏は「採決の一時見送りが決まった。関連する問題について検討を続ける」と説明した。継続審議になったとみられる。

反外国制裁法は、香港問題などをめぐり対中制裁を行う米欧に対抗するため、中国本土では6月に施行された。「外国の差別的な制限措置」への協力を禁じ、外国の対中制裁に関与した個人・団体が所有する中国本土内の資産を凍結することなどを可能とした。

香港でも同法が導入されれば、香港に拠点を置く外資系金融機関などが、本国の対中制裁への協力と、それを妨げようとする香港政府との間で板挟みになる恐れがあると指摘されていた。

一方、人口・計画出産法改正案は、5月末に中国共産党が方針を決めた「3人っ子政策」の実施を明確に規定した。産児制限に違反した夫婦に対する罰金を廃止したほか、子育て世帯に対する税金や住宅、就業などの支援措置を講じることも定めている。

中国では、1組の夫婦に1人の子供しか認めない「一人っ子政策」が1979年に導入された影響で、急速な少子高齢化が深刻化している。危機感を持った習近平政権は対策を急いでいるが、2016年に認められた第2子すら経済的負担の大きさから望まない夫婦も多く、政権の思惑通りに出生数が増えるかは不透明だ。

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