「みんなの銀行」2カ月で8万5000口座開設


BaaS事業の収益化は、まずはみんなの銀行自身のサービスが順調にいくかどうかが前提となる。

永吉氏は「自分たちのサービスがうまくいっていないと使いたい企業も出てこないと思うので、まずはそこをしっかりやる」と話している。

みんなの銀行は、デジタル技術を駆使し「金融をゼロから再定義」することを掲げる。立ち上げの背景や狙い、目指す銀行像などについて永吉健一副頭取に聞いた。

--開業から2カ月余り、手応えは

「いい形でスタートダッシュが切れた。積極的に宣伝をしなくても、SNSで話題が一気に拡散した。ふくおかFGということをアピールしていないので、信用やセキュリティーへの不安の声もあるが、ユーザー同士がSNS上で『ふくおかFGの銀行だよ』と勝手に教え合ってくれる。デジタルのネットワーク効果は大きい」

--FG傘下の銀行でもデジタル化を進めているが、なぜ新銀行を立ち上げたのか

「新しいサービスを作り出すスピードが全然違う。銀行は長年積み重ねてきた業務プロセスが確立していて、時間も人もお金もかかる。一方でスタートアップ企業などは、小さく作って世に出し、フィードバックを取り込んで改善していく。そういうアプローチでサービスをブラッシュアップさせていく。銀行の場合はテストをやり尽くしてからしか出せない。それだと世の中のスピードについていけない。銀行も完全にデジタル化するには10年くらいのスパンがかかる。だったら制約に縛られずに、素早くチャレンジできる仕組みを新たに作るしかない」

--「インターネット銀行」とみんなの銀行が掲げる「デジタル銀行」の違いは

「店舗を持たないという意味では一緒だが、業務のオペレーションやシステムは全く違う。既存銀行もネット銀行も基本的なオペレーションやシステムの仕組みは同じ。みんなの銀行は、既存銀行のコピーではなく、デジタルネーティブに〝刺さるサービス〟をゼロから考える。サービスを動かすオペレーションも全てデジタル化し、無駄をそぎ落とした。われわれが望むオペレーションを動かせるシステムは存在しないので、ゼロから作り上げた。銀行の裏側を見れば、デジタルを軸に全てのプロセスが構成されている」

--今後、どう収益を上げていくか

「利ざやビジネスが銀行たるゆえんなので、収益の柱は貸し出しだ。ローン商品を今、開発している。ローンはノンバンクも含めて競争が厳しいが、せっかくゼロから作り上げるので、ユーザーが使いやすいサービスを提供していく。BaaS事業の潮流は海外ではたくさんあるが、今後日本でも主流になれば、将来的に個人向けサービスと収益が逆転する可能性はある」

(小沢慶太)

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