外務省は19日の自民党外交部会で、イスラム原理主義勢力タリバンが政権を掌握したアフガニスタンをめぐり、日本大使館や国際協力機構(JICA)で働いていた現地スタッフとその家族について、国外退避などの対応策を検討していることを明らかにした。本人の希望などを考慮し、第三国や日本への出国を調整する。佐藤正久部会長が部会終了後、記者団に説明した。
外務省側は部会で、大使館とJICAの現地スタッフはそれぞれ数十人程度で、本人たちの希望を踏まえ、第三国や日本に出国するか、国内に残るかを安全確保を含めて考えていくと説明した。まだ退避は始まっていないという。
佐藤氏は「(現地スタッフへの)日本の対応が冷たいと今後の支援にも影響が出かねない」と述べた。欧米各国は首都カブールの空港に航空機を派遣し、自国民に加えアフガン人協力者や家族の出国を進めている。
部会では、出席議員から、大使館員ら邦人の退避で自衛隊機を派遣しなかった理由を尋ねる意見も出た。これに対し、外務省は各国の派遣した軍用機を利用した方が安全かつ迅速に退避できると判断し、防衛省に要請しなかったと説明した。