主張

高速道路の料金 機能強化に資する制度に

国土交通省の有識者会議が高速道路の料金制度を見直し、料金の徴収期間を延長すべきだとする中間答申をまとめた。

老朽化による大規模な修繕・更新や4車線化などの費用が増えているため、利用者からの料金徴収を当面継続し、そうした財源に充てる必要があると判断した。

高速道路は建設・維持費を借り入れで賄い、料金収入で返済している。現行では令和47(2065)年まで料金を徴収し、その後は無料開放するとしている。料金徴収期間が延長されれば、無料開放の時期も先に延びる。

将来にわたって高速道路の修繕・更新費用が必要になる以上、その費用を税金で賄うより、利用者が受益に応じて支払う料金収入を充てた方が合理的である。ただ、料金制度の見直しには国民の理解が欠かせない。丁寧な説明を尽くしてもらいたい。

生活や産業を支えるインフラである道路は税金で建設し、無料開放するのが原則だ。しかし、戦後、急いで建設する必要があった高速道路は借金で整備費用を確保し、利用者が支払う料金で後から返済する制度を採用した。

旧道路公団の民営化で料金徴収期間は32(2050)年までとされたが、中央道のトンネル崩落事故で高速道路の大規模な修繕が必要と判明した。そこで7年前に国交省は、財源確保のために徴収期間の15年延長を決めた。

その後も高速道路をめぐっては、大規模な修繕が必要な箇所が相次いで見つかっている。このため、今回の中間答申が料金徴収期間のさらなる延長を必要としたのはやむを得まい。

有識者会議では「高速道路は永久有料化にすべきだ」との意見も出た。だが、将来の修繕・更新に必要な費用は不透明で、現段階で料金制度の抜本見直しは早計といえよう。長期修繕計画を立案し、その進(しん)捗(ちょく)具合をみながら料金制度のあり方を慎重に検討したい。

重要なのは修繕などに充てる財源を安定的に確保する仕組みである。料金の徴収延長で財源ができたからといって、投資効果が低い高速道路を建設するようなことがあってはならないのは当然だ。

自動運転などの実用化が進めば、高速道路には情報提供機能も求められるようになる。高速道路の機能強化にも資する維持管理制度を構築したい。