今月3日、政府は新型コロナウイルスの感染拡大による入院病床の逼迫(ひっぱく)に対し、重症者や重症化リスクの高い患者以外は自宅療養を基本とする方針を発表した。
中等症の扱いが不明確なことや自宅療養者の経過観察の方法などに懸念があり、この方針転換には批判の声が上がった。災害時医療の視点からは医療ニーズが医療リソースを上回った場合には一定のルールに則(のっと)り患者の「選別」を行わざるを得ない。この政府方針に根本的な誤りはないのであるが、批判を受ける背景には政府の戦略性の欠如があると思っている。
≪ワクチン接種も戦略的に≫