中国が米台を牽制 軍事演習やアフガン情勢も使い

中国国旗=北京(ロイター)
中国国旗=北京(ロイター)

【北京=三塚聖平】中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報(18日付)によると、中国軍東部戦区が17日に台湾の南西と南東の海空域で軍事演習を行った。中国は、米政府が台湾への武器売却を承認したことに反発しており、協力を深めるバイデン米政権と台湾の蔡英文政権を牽制した形だ。

東部戦区の報道官は「最近、米国と台湾は絶えず結託して挑発し、中国の主権を深刻に侵犯し、台湾海峡の平和と安定を破壊している」と非難。今回の演習について「台湾海峡の安全や、国家主権を守る必要な行動だ」と主張した。

演習には艦艇や対潜哨戒機、戦闘機が参加。環球時報は、今回の訓練が台湾の南方で行われたことを特筆し、「これは人民解放軍が台湾本島全域を包囲殲滅(せんめつ)する能力を既に備えたことを明らかにしている」という専門家の見解を紹介した。

台湾の国防部(国防省に相当)は17日、中国軍の殲(J)16戦闘機など計11機が台湾南西の防空識別圏に進入したと発表。南東での中国軍の活動には触れていない。台湾の中央通信社は、台湾側が17、18両日に南西海域で演習を予定しており、「妨害の意図は明らかだ」と指摘した。

中国側は、アフガニスタン情勢も台湾の蔡英文政権への圧力に使っている。環球時報は17日付で「台湾当局はアフガンから教訓をくみ取る必要がある」と題した社説を掲載。米軍の撤収決定がイスラム原理主義勢力タリバンが実権を握ることにつながったことをとらえ、「(蔡政権は)米国は『頼りにならない』と静かに知っただろう」という一方的な見方を示した。