タリバンが政権準備を本格化 抗議者に発砲、3人死亡

18日、アフガニスタンの首都カブールで、カルザイ前大統領(左奥)、アブドラ国家和解高等評議会議長(右)と面会するタリバンのアナス・ハッカニ幹部(右奥)ら(タリバン提供、AP)
18日、アフガニスタンの首都カブールで、カルザイ前大統領(左奥)、アブドラ国家和解高等評議会議長(右)と面会するタリバンのアナス・ハッカニ幹部(右奥)ら(タリバン提供、AP)

【シンガポール=森浩】アフガニスタンのイスラム原理主義勢力タリバンは18日、組織ナンバー2のバラダル師を滞在先のカタールからアフガン入りさせ、政権樹立に向けた動きを本格化させた。タリバンは国内外の支持拡大を目指して穏健な政策を打ち出しているが、組織内に強硬派も抱えており、実行されるかは不明だ。

バラダル師はタリバンの対外事務所があるカタールから17日夜、タリバンがかつて拠点を置いた南部カンダハルに入った。国内有力者と会談するもようだ。バラダル師はタリバンの共同創設者で、初代最高指導者オマル師(故人)の側近。指導者の1人として対外交渉を担った。

タリバン内強硬派「ハッカニ・ネットワーク」のアナス・ハッカニ幹部は18日、首都カブールでカルザイ前大統領やアブドラ国家和解高等評議会議長らと面会し、新政権について協議した。他の幹部もカブールに入り始めたもようだ。

タリバンのザビフラ・ムジャヒド報道官は17日夜、カブール制圧後初の記者会見を開き、「イスラム法の枠内で女性は働けるし、教育も受けられる」と述べ、国民に平静を呼びかけた。ただ、融和的政策の推進は強硬派の反発を招く可能性があり、組織の亀裂につながる可能性もある。

東部ジャララバードでは18日、タリバンに抗議する市民に戦闘員が発砲し、少なくとも3人が死亡した。タリバンは融和姿勢の一方で、反発には武力で応じる姿勢を示した形だ。

一方、ガニ政権のサレー第1副大統領は17日、ツイッターで「私が正統な暫定大統領だ」と宣言し、タリバンに抵抗する考えを示した。北東部に潜伏しているもようで、サレー氏の勢力が拡大すれば政局はさらに混乱する可能性がある。