自宅療養中の死亡が相次ぐ 首都圏では7月以降に15人

新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない中、各地で自宅療養中の死亡が相次いでいる。感染者数が連日1000人台を超えている首都圏1都3県は、7月以降で計15人に上っており、特に感染者が急増した8月に入ってからが目立つ。自宅療養者の増加で健康観察など行政の目が届きにくくなっているほか、入院先が見つからないまま死亡した例もある。医療体制の逼迫(ひっぱく)は続いており、今後もこうしたケースがさらに増える恐れがある。

基礎疾患ない感染者も

東京都内では12日、40代の女性が自宅で死亡した。女性は親子3人で家庭内感染し自宅療養中だった。前日に保健所が健康観察した際は異常がなかったが、翌日、死亡しているのを家族が見つけたという。女性には糖尿病の持病があった。

都では7月に1人、8月は17日までに7人の自宅療養中の死亡を確認。死亡した8人のうち、2人には基礎疾患がなかった。都内では7月中旬以降、感染者急増に比例する形で自宅療養者が増えており、現在は2万人を超えている。

神奈川県は7月に2人、8月は18日までに1人が自宅療養中に死亡。10日に死亡した60代女性は、当初は軽症だったが基礎疾患があったため医師が入院を勧めたものの、本人が自宅療養を希望していたという。気分の悪さを訴え一時救急搬送されたが、退院後に自宅で死亡しているのを職員が発見した。

これまで入院を希望していた感染者が自宅で死亡したケースはないが、17日時点の病床使用率は81・63%に上っており、病床は逼迫。今後は入院が困難になる事態が発生する可能性もある。

千葉県では今月、自宅療養中に2人が死亡した。このほか、60代の男性が入院先が見つからないまま5日目に自宅で倒れているところを発見され、搬送先の病院で死亡が確認されている。この男性は当初は軽症だったが、その後、入院が必要な中等症と診断された。入院先を探しながら酸素投与を続けたものの病状が悪化。県によると基礎疾患はなかったという。

何よりも感染者抑制

自宅療養中の相次ぐ死亡を受け、4都県は対策に乗り出している。

都は自宅療養中に症状が悪化した人を引き受ける酸素ステーションを新たに210床整備することを決定。軽症~重症に近い患者まで幅広く酸素投与を実施し、入院か引き続き自宅療養かを振り分ける。8月中の開設を目指しており、都の担当者は「少しでも安心して自宅で療養してもらえるよう準備を進めたい」と述べた。

埼玉県も酸素ステーションを県内複数カ所に設置する。また、自宅療養の中等症患者の増加に備え、健康観察や診療にあたる協力医療機関を拡充する。

千葉県は、血中酸素飽和度を測るパルスオキシメーターを自宅療養者向けに追加で確保するほか、民間事業者の活用により健康観察する体制の拡充を検討中だ。県担当者は「医療提供体制に限界があることを考えると、感染者の数を抑えることが重要。徹底的な感染対策の実施を呼び掛けていきたい」と語った。