寄稿

東京五輪、日台で感動共有 台北駐日経済文化代表処、謝長廷代表が寄稿

台北駐日経済文化代表処の謝長廷代表(三尾郁恵撮影)
台北駐日経済文化代表処の謝長廷代表(三尾郁恵撮影)

台湾の駐日大使に当たる台北駐日経済文化代表処の謝長廷代表が、閉幕した東京五輪について産経新聞に寄稿した。内容は以下の通り。

東京五輪は、新型コロナウイルス禍という五輪史上、未曽有の困難とも言うべき状況の中、行われた。当初は開催自体も心配されたが、日本政府や五輪関係者、ボランティアの懸命な対応と準備により成功裏に開催され、感動と勇気をもたらした。これは日本が開催地だからこそできたことで、敬意と感謝の意を表する。今回、日本が史上最多となる27個もの金メダルを獲得したことにもお祝いを申し上げたい。

台湾もウエートリフティング、バドミントン、柔道、テコンドー、卓球、アーチェリー、ゴルフ、体操、ボクシング、空手など金2、銀4、銅6のメダルを獲得し、過去最高の成績を収めることができた。

防疫のため無観客での開催となったが、その中で台湾の選手が実力を発揮できたのは、日々の地道な訓練のたまものであると同時に、コロナ禍にあっても選手たちが安全にプレーに集中できるよう支えてくれた関係者のおかげであり、重ねて感謝の意を表したい。

私は少年時代、体操競技の選手として台湾で日本の国体に当たる大会に出場したことがあり、五輪でメダルを取ることを夢見たことがあった。しかし当時、日本との実力の差を思い知り、その夢をあきらめるしかなかった。今回、台湾の李智凱選手があん馬で銀メダルを獲得し、台湾初の体操競技のメダルとなった。私の少年時代にかなわなかった夢をこのような形でかなえてくれて、あきらめないことの大切さを改めて実感した。

今回の五輪では、柔道や卓球などで日本と台湾が直接対決するシーンも多かった。柔道では決勝で楊勇緯選手が惜しくも高藤直寿選手に敗れたものの、試合後、共にたたえ合う姿は、まさに「友情、連帯、フェアプレー」の五輪精神の体現であり、さわやかな感動をもたらした。日本の友人からの反響も大きく、東京五輪開催の意義はまさにこのような国境を超えた友情と感動の共有であるとの思いを強くした。

24日からは東京パラリンピックが開幕する。引き続き台湾選手にも声援を送っていただけるようお願いするとともに、東京五輪をきっかけに今後ますます台日のスポーツ交流が促進され、若い世代が友情を育み、切磋琢磨して選手たちのレベルアップが図られることを期待している。