話の肖像画

評論家・石平(59)(16)慟哭の「天安門」そして母国との決別

領事館員の中には、僕らの行動を理解してくれる人もいて、建物からピースサインを示してくれた人もいます。「おまえたちの気持ちは分かるよ」と言ってくれたように感じました。

数日はそこで座り込みをしていたでしょうか。大学には行く気がなくなり、ずっと欠席していたのですが、研究室の日本人は理解をしてくれました。いろんな感情が込み上げてきて、ご飯ものどを通らない。


《そして、大きな決断をすることになった。母国・中国との決別である》


心が変わったのは(事件があった)その日でした。それまでは民主化運動をしていても、共産党政権は「人民のために動いているんだ」と、どこかで信じる気持ちがあったのです。

それがあの晩、完全に母国への信頼は崩れ、すべてが終わったのです。(聞き手 喜多由浩)

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