ペース欧米並みも初動遅れ響く ワクチン接種半年

国内で新型コロナウイルスワクチンの接種が開始してから17日で半年となった。開始時期は欧米各国から約2カ月遅れたが、開始後は主要国と遜色ないスピードで接種回数が加速。17日の公表で総回数は1億1千万回を超え、2回接種完了は対象者の4割に届こうとしているが、初動の後れを取り戻すには至っていない。感染力の強いインド由来のデルタ株も広がっており、現役世代への接種加速が喫緊の課題となっている。

「40、50代の方々は高齢者に次いで重症化リスクが高い。ワクチンの有効性と安全性を理解し、接種を積極的に受けてほしい」

河野太郎ワクチン担当相は17日の記者会見でこう呼びかけた。接種は2月17日に医療従事者を対象にスタート。昨年12月に始まった英国や米国、ドイツ、フランスなどに比べ遅くなったのは、感染者が格段に少なくワクチンの供給が遅れたことが主な原因だ。野党の要求もあり、昨年12月の改正予防接種法成立にあわせた付帯決議では、ワクチン承認の審査を「国内外の治験を踏まえ、慎重に行う」としていた。

ただ、その後は菅義偉首相が「1日100万回接種」を目標に掲げたこともあり、重症化しやすい65歳以上の高齢者約3600万人の接種は7月末までに約8割が完了。2回接種完了者数は17日公表分で37・6%に達している。

各国の感染データなどを集計している団体「Our World in Data」によると、接種開始から約6カ月時点での接種率を主な先進国と比べた場合、米国(43・3%)や英国(42・0%)には及ばないが、ドイツ(35・1%)、イタリア(29・7%)、フランス(29・1%)を上回る。現在も1日120万回前後のペースで接種が進んでいるとみられ、首相は10月初旬に国民の8割の2回接種完了を目指す。

しかし、8月15日集計の2回接種完了者率は、英国59・8%▽イタリア57・0%▽ドイツ56・8%▽フランス51・8%▽米国50・3%-で、日本は後れを取っている。

西村康稔経済再生担当相は17日の基本的対処方針分科会で「9月中旬ごろには2回接種した割合が現在の米国、フランスと同程度になる」と述べたが、各国ではワクチン接種後の感染も確認されている。政府は抗体カクテル薬の投与も加速させることでワクチンとの両輪で感染拡大を防ぎたい考えだ。(大島悠亮)