夏の甲子園

コロナ禍とも闘う球児、高野連は「開催ありき」ではならない

2年ぶりの開催となった全国高校野球選手権大会の開会式=8月10日、甲子園(鳥越瑞絵撮影)
2年ぶりの開催となった全国高校野球選手権大会の開会式=8月10日、甲子園(鳥越瑞絵撮影)

甲子園球場で開催中の第103回全国高校野球選手権大会で、宮崎商と東北学院(宮城)が17日、チーム内での新型コロナウイルス感染を理由に試合の辞退を発表した。オンラインで会見した日本高野連の八田英二会長は「選手たちの悔しさはいかばかりか。大変残念」と苦渋の表情で話した。

宮崎商は陽性者が13人に増え、集団感染が疑われる事態となった。宿舎から移動する際は専用バスを使用し、全員がマスクを着用。宿舎内でもそれぞれが個室を利用し、検温と手指の消毒を徹底していたという。日本高野連は「ガイドラインに違反するような行動はなかったと認識している」と強調した。

日本高野連は今後の大会運営に向け、出場校に対し、移動時の感染防止策の徹底を再度呼びかけていくほか、試合中のベンチ内でのマスク着用の厳守をさらに求めていくことなどを表明。八田会長は「大会を最後まで続けられるように対策を強化し、新たな集団感染が起きないようにしたい」と繰り返した。

一方、東北学院は13日に選手1人の感染が判明してから、新たな陽性者は出ていない。にもかかわらず、感染した選手が特定されることを懸念しての辞退となった。日本高野連は「新たな感染事例ではない」として大会続行を目指す方針を重ねて強調したが、選手たちは甲子園に来てからもコロナの恐怖と闘い続けている。

社会で感染が急拡大している状況下では、いくら対策を講じても感染を防ぎきることは難しく、感染リスクは常に隣り合わせにある。最も優先すべきは選手たちの健康と安全を守ることであり、大会の遂行を前提とした議論であってはならない。 (丸山和郎)

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