中国、アフガンめぐり米露外相と相次ぎ電話会談 主導権確保へ着々

(左から)ブリンケン米国務長官(AP=共同)、中国の王毅国務委員兼外相
(左から)ブリンケン米国務長官(AP=共同)、中国の王毅国務委員兼外相

【北京=三塚聖平】中国の王毅(おうき)国務委員兼外相は16日、アフガニスタン情勢をめぐりブリンケン米国務長官と電話会談し、「アフガンを再びテロを引き起こす地にしてはならない」と述べ、「軟着陸」に向け米国と協力する意向を示した。王氏は同日、ロシア外相とも電話会談し、内外で批判にさらされるバイデン米政権を横目に、主導権確保へ着々と手を打っている。

中国外務省によると、王氏は米側が「強権と軍事手段」で「外来のモデルを無理に当てはめようとした」と米国のアフガン政策を強く批判。「教訓は反省に値する」と間接的に米国の対外政策全般の修正を求めた。その上で、「中国の正当な権益を損なおうとたくらむ一方で、中国の支持や協力を頼ることはできない」と述べ、バイデン米政権が進める「中国包囲網」にくぎを刺した。

中国は、アフガンで実権を掌握したイスラム原理主義勢力タリバンとパイプを持つ。アフガンの首都カブールにある米大使館は全職員が退避して空港に移動したのに対し、中国大使館は業務を継続。中国はタリバンによる政権掌握を事実上容認し、影響力を強める構えを見せる。

米国がアフガンに対する影響力を急速に失墜させる中、米国への協力姿勢を示してアフガン情勢を対米交渉のカードに使っていく思惑がうかがわれる。

中国は、新疆(しんきょう)ウイグル自治区の独立派組織、東トルキスタン・イスラム運動(ETIM)が隣接するアフガンを足場とする動きを警戒。王氏は、トランプ前米政権がETIMをテロ組織指定から除外したことを「危険で誤っている」とし、「国際的な対テロ協力の障害を取り除くべきだ」と再指定を求めた。

王氏は16日、ロシアのラブロフ外相とも電話会談。アフガンに関し「中露は戦略的な意思疎通や協力を強化する必要がある」と主張し、タリバンに「穏健な宗教政策をとり、開かれた包摂的な政治枠組みを立ち上げることを奨励する」と表明した。中国側によると、ラブロフ氏も「情勢の進展に共同で対処する」と応じた。