台湾有情

五輪の楽しみ方

東京五輪の開会式で入場する台湾の選手たち=7月23日、国立競技場(代表撮影)
東京五輪の開会式で入場する台湾の選手たち=7月23日、国立競技場(代表撮影)

8月8日に閉幕した東京五輪で台湾選手が大活躍した。史上最多の金2、銀4、銅6を獲得し、空前のメダルラッシュに台湾全島が沸(わ)いた。

連日のテレビ観戦で寝不足だったという日本留学経験のある友人は、「今年の五輪はさまざまな楽しみ方があった」とうれしそうに語った。中継されたほぼ全競技を見たという彼は台湾、日本、ロシアの順で選手たちを応援したという。

ロシアとは縁もゆかりもないが「ROC」という名前に親しみを感じたという。今回の五輪では、ロシアがドーピング問題で国としての参加が禁止されたため、選手たちは「ロシア・オリンピック委員会」の略称のROCで参加していた。

実は台湾の正式な「国号」である「中華民国」(Republic of China)の略称も「ROC」だが、中国の圧力で、台湾は「中華民国」も地域名の「台湾」も名乗ることができず、1984年のサラエボ冬季五輪以降「チャイニーズ・タイペイ」の名称でしか五輪に参加できなくなっていた。

「自分の名前を名乗れない悔しさがずっとあったから『ROC』の名前を世界に広げてくれたロシア選手に感謝している」と語る彼だが、台湾も日本もロシア選手もいない競技では、中国と対戦する相手チームを応援していたという。(矢板明夫)