浪速風

コロナ禍 新聞の力を信じて

NTTドコモが始めた新型コロナウイルスワクチンの職場接種で注射を打ってもらうドコモショップのスタッフ(右)=6月21日、東京都千代田区(寺河内美奈撮影)
NTTドコモが始めた新型コロナウイルスワクチンの職場接種で注射を打ってもらうドコモショップのスタッフ(右)=6月21日、東京都千代田区(寺河内美奈撮影)

「ブームを起こす記事を書け」「キャンペーン記事は(扱いを)大胆に」。新聞がオピニオンリーダーだとまだ思っていたころ、先輩たちから教わったことである。人流抑制を呼びかける記事も効果が薄く、コロナの感染拡大が止まらない今、青臭かった当時のことを懐かしく思う

▶「緊急事態と蔓延防止の違いがわからないから」「首相や知事の訴えで危機感が伝わらないから」「東京五輪でお祭りムードだったから」。この夏、さまざまな理由をつけて人々は不要不急の外出をした。その結果が最悪の感染者数と医療崩壊である

▶ネット世代にはテレビも見てもらえないと放送関係者は嘆く。どうしたら読み、見てもらえるか。元凶は社会全体の利益に想像力が及ばない個人主義だろう。ならば「ワクチンも打たずにふらふら出歩いてたら死にますよ」。それぐらい毒を含んだ表現こそが良薬になるのではないか。今なお新聞の力を信じる老記者はそう思う。