石炭事業撤退も選択肢 吉岡泰士・三井松島HD社長

三井松島ホールディングスの吉岡泰士社長
三井松島ホールディングスの吉岡泰士社長

三井松島ホールディングス(HD)の吉岡泰士社長(52)が産経新聞の取材に応じた。世界的に脱炭素に向けた動きが加速する中、同社は祖業の石炭生産事業に替わる収益源として、M&A(企業の合併・買収)を通じた新規事業の展開に注力している。吉岡氏は会社の将来像について「いろんな事業分野で頭が一つ飛び抜けた、日本に必要とされるプロ企業の集合体としたい」と抱負を語った。

(権益を保有する)オーストラリアのリデル炭鉱で、既存鉱区の採掘があと2年ほどで終わる。鉱区延長には100億円近い投資が必要で、採算性や資金調達が可能かを慎重に見極めないといけない。M&Aの取り組みと比較し、採算が見込めれば投資するが、そうでなければ撤退も選択肢としてある。

(脱炭素化の目標とされる)2050年に向け、もう石炭をよしとする流れはめぐってこないだろう。会社が成長するには、脱石炭のポートフォリオ(組み合わせ)構築を急がなくてはいけない。

発表されたエネルギー基本計画(素案)では、2030年度の電源構成に占める石炭比率が19%と打ち出された。石炭が2割必要とされると捉えることもできるが、欧州が(温室効果ガス排出に価格を付ける)カーボンプライシングを先行することを踏まえれば、経済的側面から石炭は縮小、廃止の方向にならざるをえない。

石炭の会社から石炭もやっている会社へ-。これまでも、変動の大きな石炭価格に業績が左右されないよう、M&Aを通じ、非石炭の事業展開を進めてきた。買収した会社は7社となり、経営の指標とする「EBITDA(利払い前・税引き前・償却前利益)」は昨年度初めて、非石炭部門が石炭部門を上回った。今年度はその差を広げる見通しだ。

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